『開成調教師~安馬を激走に導く厩舎マネジメント~』の真実

では『開成調教師~安馬を激走に導く厩舎マネジメント~』をレビューしていきます。
今や一流厩舎の仲間入りをした矢作厩舎。
2005年に開業後、地味な血統を次々と激走させて注目される。
2008年にJRA史上最速で通産100勝を達成して、
2009年には関西リーディングを獲得。
2010年にグランプリボスで朝日杯FSを制して初勝利。
2012年にディープブリランテでダービーを制して、
ダービートレーナーになる。
そして2014年には全国リーディングを獲得。
この矢作調教師の快進撃を支えるルーツや苦労を読むことができます。
ビックリしたのが、競馬学校の厩務員過程に入学するのに3回目の受験で合格。
調教師試験は14度目での合格というもの。
外側から見ると、JRAは村社会で、
調教師や騎手らと「なあなあ」でやっている印象だったが、
そうではなかったことにも驚いた。
ただ厩務員が強力な労働組合に守られていて、
恵まれた給与を保証されている様は予想通りでした。
また馬主のお金をどんぶり勘定で使う調教師の存在も。
それに比べて、矢作調教師は厩舎を中小企業と考えて、
キッチリ管理運営しているからこそ、結果が出ていることに納得。
調教師がどのように考えて、どのように馬の出し入れをして、
どのように営業周りをして、どのような気持ちでレースを使ってるのか?
これがこの一冊ですべて分かります。
また第4章は、「矢作厩舎の馬はなぜ穴を開けるのか?」というパートだが、
距離延長をしてみたり、馬場変更をしてみたりと、
馬券の狙い目の参考になりそうなポイントが、調教師目線で書かれている。
これが、なるほどと思う部分が多くあり、とても勉強になる。
馬券を買う側からは見えないことが、この本にはたくさん書かれており、
競馬を表面的でなく、なぜこの馬はこのレースを使うのか?
というような所まで知りたい方にはオススメの一冊です。
投稿者プロフィール

- (日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
- かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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