『前走4角順位で当てる「展開指数」』の真実

では『前走4角順位で当てる「展開指数」』をレビューしていきます。
展開について、研究の資料として購入。
2003年に出版された競馬本だが、
「展開指数」という展開を指数化したと思われる題名に魅力を感じた。
表紙の4コマ漫画にはこう描かれている。
1)この本を買う。
2)出走馬の前走着順と4角通過順位をチェックする。
3)展開指数一覧表を見て展開指数出馬表に指数を書き込む。
4)買い目決定ルールに従い馬券を購入する。
これだけでも「展開指数って?」と興味が沸く。
この競馬本に書かれている展開へのアプローチだが、
前走の4角の位置取りを、
・逃げ 4角1~2番手
・先行 4角3~4番手
・差し 4角5番手~
という3つに分類しているのと、
前走の着順を、
・1着
・2~5着
・6~8着
・9着~
この4つに分類。
前走のコースは一切考慮しない。
例えば、中山芝1600mのレースを予想する場合、
前走「逃げ」で「2~5着」だった馬だと、展開指数は『114』と書かれている。
前走「逃げ」で「6~8着」の馬は、展開指数は『56』だ。
前走「逃げ」で「9着~」の馬は、展開指数は『220』。
もうお分かりだと思うが、展開指数とは、
中山芝1600mの過去10年分のデータを調べて、
前走4角位置+前走着順別の単勝回収率を指数と呼んでいるだけ。
着順が良い2~5着の展開指数が高いのは分かるが、
6~8着の指数が低くて、9着以下の指数が一番高い。
これはたまたま9着以下の単勝回収率が過去10年で跳ね上がっているだけ。
ハッキリと言うと、ただの過去データ披露本で、再現性はかなり乏しい。
データの裏付け、理由もまったくなく、実用はかなり厳しい競馬本。
投稿者プロフィール

- (日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
- かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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