『短距離王』の真実

では『短距離王』をレビューしていきます。

その名の通り、短距離にフォーカスした競馬本で、
著者は「競馬最強の法則」短距離特捜班。

かなり面白い内容となっている。

特に第3章の「短距離の大穴馬を使える真セオリー!」と、
第6章の「知らないと損する短距離アラカルト」に、
短距離で好走するパターンや、妙味のあるパターンが書かれていて、
かなり馬券研究に役に立つ。

他にも、第4章の「野芝か、オーバーシードかで変わる傾向」という記事も面白い。

・洋芝 海外輸入の芝
⇒函館、札幌競馬場

・野芝 日本在来種の芝
⇒新潟、夏の小倉、秋の中山、秋の阪神競馬場

・オーバーシード 野芝をベースに洋芝をミックスしたもの
⇒福島、東京、中京、京都、夏を除く小倉、秋を除く中山、秋を除く阪神競馬場

と分類され、洋芝は力の要る馬場になり、時計が掛かる。

オーバーシードが中間で、野芝オンリーは馬場が軽く、時計が出やすいとある。

洋芝については、意識する競馬ファンも多いと思うが、
野芝オンリーとオーバーシードを違いを意識している人は少ないので、
馬券に繋がる研究をしたら妙味がある部分が出てきそうで興味深い。

これにプラス、各競馬場の芝1200メートルのコース形状の説明と
狙える騎手や厩舎、妙味のある部分が書かれている。

例えば、福島芝1200mの場合、外枠馬の配当妙味が紹介されていて、
実際に2012~2014年のデータで調べてみると、

・福島芝1200m 7~8枠
勝率7% 連対率13% 複勝率19%
単勝回収率126% 複勝回収率82%

このように再現されている。

実際にデータを調べてみると、福島競馬場は外枠不利ということはないが、
競馬ファンは外枠を嫌うためか、このように妙味が発生して狙い目だ。

京都の芝1200メートルでは、
4コーナー手前に京都名物の上って下る淀の坂があり、
直線にでる辺りからゴールまでは平坦になっているため、
前に行った馬のスピードが落ちず、
圧倒的に逃げ先行馬に有利なコースレイアウトになっていると書かれている。

そこで2012~2014年のデータで京都芝1200m、
前走逃げた馬を調べてみると、

勝率14% 連対率20% 複勝率31%
単勝回収率164% 複勝回収率129%

このように優秀な成績になってる。

「人の通る裏に道あり、花の山」

この考え方を中心に書かれている内容が多く、オススメできる競馬本。

ただ中には再現しない狙い目もあるので、
書かれていることを鵜呑みにせず、必ず自分でTARGETで調べよう。

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投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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