『最強の競馬論』の真実
では『最強の競馬論』をレビューしていきます。
2003年に出版された森秀行調教師の競馬本。
馬券については書かれておらず、
調教師の仕事や考え方が中心に書かれている。
森調教師といえば、97年にシーキングザパールでNHKマイルCを制覇。
2000年はエアシャカールで皐月賞と菊花賞を。
そして01年のフェブラリーSをノボトゥルーで勝利。
最近では08年の皐月賞をキョプテントゥーレで勝っている。
競馬関係者ではなく、求人広告で競馬界に入ったためか、
会社の経営者という感覚を持ち、2001年には全国リーディングを獲っている。
この辺の感覚は、本を読んでいて、とても矢作調教師に似ていると感じる。
やはり次代の寵児になる人は、常識に囚われない思考を持ち、
それを徹底できる行動力を持ち合わせていると思う。
ただ2006年までは毎年30~50勝を挙げており、
勝率10%を超えていたが、
2007年から急に30勝以下が続き、勝率も8%以下が続いている。
森調教師は修行時代、社台ファームで働いていたため、
競走馬の供給は、社台ファームからがほとんど。
ノーザンファーム系からの供給はわずかだ。
しかし、2007年か2008年くらいから、
社台ファームからの供給が激減している。
出走数だけで比較すると、
2006年 社台ファーム生産馬の出走数 132回
2007年 社台ファーム生産馬の出走数 96回
2008年 社台ファーム生産馬の出走数 52回
その後も出走数は減り続け、2014年はわずかに24回しかない。
2007年くらいに、社台ファームとトラブルがあったのか?
それについては分らないが、近年の低迷は社台馬の供給減少が原因だ。
ただ低迷と言っても、14年は27勝しており、リーディングは34位。
社台系の馬の供給が少ない中で、この成績は立派とも言える。
とにかくこの本を読めば、なぜ森調教師が他の調教師より優秀な結果を残せるのか、
これがよく分かる内容となっている。
例えば、勝てる騎手とはどういうものか?
そして森調教師は、どのような理由で騎手起用をするのか?や、
馬の特徴に合わせた番組選びなどが書かれている。
馬券に直結しないが、読むと馬券力アップに繋がるのは間違いない。
矢作調教師の『開成調教師~安馬を激走に導く厩舎マネジメント~』と
合わせて読みたい一冊。
